不妊治療で高額療養費制度を
フル活用する完全ガイド
「体外受精でいくら戻ってくるの?」「申請方法がわからない」そんな疑問を計算例つきですべて解消します。
🧮 計算シミュレーションあり
📋 申請手順ステップ解説
⚠️ 失敗しやすい注意点6選
2022年4月から不妊治療でも高額療養費制度が使えるようになりました!
体外受精・顕微授精が保険適用になったことで、同じ月に支払った医療費が一定額を超えると超えた分が戻ってくるようになりました。申請しないと損をする制度です。
①高額療養費制度とは?まず基本をおさえよう
結論:同じ月(1日〜月末)に支払った保険診療の医療費が、収入に応じた「上限額」を超えたとき、超えた分が後日戻ってくる制度です。
医療費が高額になると家計への負担がとても大きくなります。そこで国が設けたのが「高額療養費制度」です。公的医療保険(健康保険・国民健康保険など)に加入しているすべての人が対象で、年齢・収入に応じて毎月の自己負担に上限が設けられています。
(1日〜末日)
ヶ月後
💡 ポイント:申請しなければ自動的には戻ってきません。自分で手続きが必要です。ただし過去2年分までさかのぼって申請できるので、まだ申請していない方はすぐに確認しましょう!
②不妊治療で使える?対象になる治療・ならない治療
結論:2022年4月以降に保険診療で行った体外受精・顕微授精・人工授精は対象です。ただし自費診療・先進医療は対象外です。
| 治療の種類 | 高額療養費の対象 | 備考 |
|---|---|---|
| タイミング法・排卵誘発 | ✅ 対象 | 保険診療の場合 |
| 人工授精(AIH) | ✅ 対象 | 保険診療の場合 |
| 体外受精(IVF) | ✅ 対象 | 年齢・回数制限内の場合 |
| 顕微授精(ICSI) | ✅ 対象 | 年齢・回数制限内の場合 |
| 凍結胚移植 | ✅ 対象 | 保険診療の場合 |
| 先進医療(ERA・タイムラプス等) | ❌ 対象外 | 全額自己負担のため |
| 年齢・回数超過の自費治療 | ❌ 対象外 | 保険適用外のため |
| 入院中の食事代・差額ベッド代 | ❌ 対象外 | 保険診療費に含まれない |
採卵が3月末、移植が4月というように月をまたいで治療が行われた場合、それぞれの月で別々に計算されます。1か月にまとめて治療を受ける方が高額療養費の恩恵を受けやすくなります。
夫婦の医療費は合算できる?
同じ公的医療保険に加入している家族の医療費は合算できます。ただし夫婦が別々の健康保険に加入している場合(妻が会社員・夫が自営業など)は合算できません。
| ケース | 合算 |
|---|---|
| 夫婦ともに同じ会社の健康保険 | ✅ 合算できる |
| 夫婦ともに国民健康保険(同一世帯) | ✅ 合算できる |
| 妻:会社員の健康保険 / 夫:国民健康保険 | ❌ 合算できない |
| 妻と夫が別々の会社の健康保険 | ❌ 合算できない |
③自己負担限度額はいくら?所得区分の早見表
結論:年収によって5つの区分があり、1か月の自己負担上限額が決まります。年収約370〜770万円の方なら月約8万円が上限の目安です。
| 区分 | 年収目安 | 1か月の自己負担上限額 |
|---|---|---|
| ア | 約1,160万円以上 | 252,600円+(医療費総額−842,000円)×1% |
| イ | 約770〜1,160万円 | 167,400円+(医療費総額−558,000円)×1% |
| ウ | 約370〜770万円 | 80,100円+(医療費総額−267,000円)×1% |
| エ | 約370万円未満 | 57,600円 |
| オ | 住民税非課税 | 35,400円 |
💡 多数回該当でさらに上限が下がる!
直近12か月以内に3回以上、高額療養費の対象になった場合、4回目からは「多数回該当」となり自己負担上限額がさらに低くなります。不妊治療を継続している方は要チェックです。
| 区分 | 多数回該当時の上限額 |
|---|---|
| ア | 140,100円 |
| イ | 93,000円 |
| ウ | 44,400円 |
| エ | 44,400円 |
| オ | 24,600円 |
④実際にいくら戻る?計算シミュレーション
結論:年収約370〜770万円の夫婦が体外受精を受けた場合、1か月の医療費が20万円なら約12万円が戻ってくる計算になります。
シミュレーション①:体外受精1回(年収約500万円の場合)
500,000円
150,000円
80,100円+(500,000円−267,000円)×1%
82,430円
150,000円 − 82,430円 = 67,570円
シミュレーション②:体外受精(採卵+移植を同月に実施・年収約500万円)
700,000円
210,000円
80,100円+(700,000円−267,000円)×1%
84,430円
210,000円 − 84,430円 = 125,570円
📌 計算のポイント:「医療費総額(10割)」とは窓口で支払った3割の金額ではなく、保険で定められた治療費全体の金額です。領収書に「保険点数」として記載されていることが多いので確認してみてください。
⑤【事前申請】限度額適用認定証の取得方法
結論:治療前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示すれば、窓口での支払いを最初から上限額に抑えられます。後から払い戻しを待つ必要がなくなります。
✅ マイナンバーカードを保険証として使っている方は申請不要!
マイナ保険証を医療機関の端末で読み取るだけで、自動的に限度額が適用されます。持っている方はSTEP1から不要で、そのまま医療機関に持参するだけでOKです。
🏢 加入している保険に申請する
- 会社員(協会けんぽ):全国健康保険協会の各都道府県支部に申請
- 会社員(組合健保):勤務先の健康保険組合に申請
- 自営業・フリーランス(国民健康保険):お住まいの市区町村窓口に申請
📝 申請書に記入して提出
「限度額適用認定申請書」に必要事項を記入して提出します。多くの保険者ではオンライン申請や郵送申請にも対応しています。
- 必要なもの:保険証・マイナンバー・印鑑(窓口の場合)
- 発行まで:数日〜2週間程度
🏥 医療機関の窓口で提示する
認定証が届いたら、毎月最初の受診日に保険証と一緒に窓口で提示してください。その月の支払いが自動的に上限額までに抑えられます。
⑥【事後申請】治療後に払い戻しを受ける方法
結論:認定証なしで支払った場合でも、後から申請すれば払い戻しが受けられます。申請期限は「診療月の翌月1日から2年以内」です。
📬 申請書が届くのを待つ(または自分で取り寄せる)
高額療養費の対象になった場合、診療月から約3か月後に加入している保険から「高額療養費支給申請書」が自宅に届きます。
- 届かない場合は保険者(健保・市区町村)に問い合わせを
- 保険者のHPからダウンロードできる場合も
📝 申請書に必要事項を記入する
- 氏名・住所・振込先口座
- 診療月・医療機関名・支払った金額
- 領収書の添付を求められる場合もあり
🏢 保険者に提出する(窓口または郵送)
- 協会けんぽ:都道府県支部に郵送または窓口へ
- 組合健保:勤務先の健康保険組合へ
- 国民健康保険:市区町村の窓口または郵送
💳 指定口座に払い戻しされる
申請から約1〜3か月後に指定した口座に振り込まれます。申請書の受付確認が取れたら、あとは待つだけです。
📂 申請時に用意するもの(一般的なケース)
- 高額療養費支給申請書(保険者から届いたもの、またはHPからDL)
- 保険証
- 医療機関の領収書(原本またはコピー)
- 振込先口座の確認書類(通帳またはキャッシュカードのコピー)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
⑦失敗しやすい注意点6選
高額療養費の申請期限は「診療月の翌月1日から2年以内」です。過去に申請していない月がある場合は今すぐ確認してください。2年以内であれば遡って申請できます。
認定証の取得が月をまたいだ場合、その月は適用されないことがあります。例えば3月31日に取得しても、3月分の支払いには使えないケースがあります。早めの取得を心がけましょう。
ERA検査やタイムラプスなどの先進医療は保険診療ではないため、高額療養費の計算には含まれません。ただし自治体の助成金制度で別途補填できる場合があります。
事後申請では領収書の提出を求められることがあります。医療機関の領収書は再発行できないことが多いので、治療中は必ず全て保管しておきましょう。
妻が会社の健康保険、夫が国民健康保険のように、別々の保険に加入している場合は医療費を合算できません。加入保険を確認した上で申請計画を立てましょう。
自治体の不妊治療助成金を申請する際、高額療養費で払い戻しを受けた金額は自己負担額から差し引かれて計算されます。高額療養費の通知書は助成金申請まで保管しておきましょう。
⑧他の制度と組み合わせるともっとお得に
結論:高額療養費制度・自治体助成金・医療費控除の3つを組み合わせることで、不妊治療の実質負担を最小限に抑えられます。
| 制度 | 内容 | 申請先 |
|---|---|---|
| ①高額療養費制度 | 月の保険診療費が上限額超えた分を還付 | 加入している健康保険 |
| ②自治体の助成金 | 先進医療費・保険診療の自己負担などを補助 | 都道府県・市区町村 |
| ③医療費控除 | 年間10万円超の医療費を所得から控除 | 税務署(確定申告) |
| ④付加給付 | 健保組合独自の上乗せ還付(組合による) | 勤務先の健康保険組合 |
💡 付加給付も忘れずに確認!
大企業や公務員の健康保険組合には「付加給付」という独自制度があり、高額療養費よりもさらに低い自己負担額(2〜5万円程度)に抑えられるケースがあります。勤務先の健保に確認してみましょう。
📋 自治体の助成金制度もあわせて確認しよう
高額療養費と自治体の助成金を組み合わせると、さらに大きな節約になります。お住まいの地域の制度を確認してみてください。
⑨よくある質問(FAQ)
まとめ|高額療養費制度は申請しなければ損!必ず活用を
📌 この記事のポイントまとめ
- ✓2022年4月から体外受精・顕微授精・人工授精(保険診療)が高額療養費の対象に
- ✓年収約370〜770万円の方は1か月の自己負担上限が約8万円
- ✓事前に「限度額適用認定証」を取得すれば窓口支払いを最初から抑えられる
- ✓申請期限は診療月の翌月1日から2年以内。過去分も遡って申請できる
- ✓先進医療・自費診療は対象外。月をまたいだ費用も合算不可
- ✓自治体の助成金・医療費控除と組み合わせることで実質負担をさらに軽減できる
- ✓領収書は必ず全て保管する。高額療養費の通知書も助成金申請まで取っておく
高額療養費制度は申請しなければ一円も戻ってきません。不妊治療中の方はぜひ今すぐ加入している保険に問い合わせてみてください。過去2年分まで遡って申請できるので、まだ申請していない月がある方も諦めないでください。
【2026年最新】不妊治療の助成金・保険適用を完全解説|いくらかかる?どこに申請する?


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