【2024〜2026年最新】不妊治療保険適用の変更点まとめ|AMH検査拡大・凍結胚無期限化・先進医療追加を解説

助成金・費用

📋 この記事のポイント
  • 不妊治療の保険適用は2022年4月に大幅拡大。さらに2024年6月の診療報酬改定で複数の重要な変更が加わった
  • 2024年6月の主な変更:①AMH検査の保険適用範囲拡大(一般不妊治療にも適用)②凍結胚の保管期間上限(3年)の撤廃③離婚・復縁時の回数の扱い変更④高度乏精子症の精子凍結保険化
  • 先進医療では2024〜2025年にかけてZyMōt・β2GPIネオセルフ抗体検査などが新規認定
  • 保険適用の基本条件(43歳未満・40歳未満6回/40〜43歳未満3回)は変更なし
  • 2026年4月の次回診療報酬改定でも変更が見込まれる。最新情報はクリニックに確認を

📅 不妊治療保険適用の歴史|2022年から現在まで

不妊治療の保険適用は段階的に拡大されてきました。まず全体の流れを把握しましょう。

📅 保険適用の主な変遷
時期 主な変更・追加内容
2022年4月 人工授精・体外受精・顕微授精など主要な不妊治療が保険適用に。窓口負担が原則3割に大幅軽減。AMH検査(体外受精・顕微授精に限定)・胚凍結保存も保険適用
2024年6月 令和6年度診療報酬改定施行。AMH検査の適用範囲拡大・凍結胚保管期間の上限撤廃・離婚復縁時の回数ルール変更など複数の重要変更が加わる
2024年10月〜12月 先進医療の追加認定(ZyMōt法など)・先進医療施設基準の一部改正
2026年4月(予定) 次回診療報酬改定。内容は2026年初頭に決定される見込み

🔗
関連記事

不妊治療の助成金・保険適用|2026年最新まとめ

保険適用の基本的な制度・条件・費用目安はこちらで詳しく解説

🆕 2024年6月の変更点を詳しく解説

2024年6月1日から施行された令和6年度診療報酬改定では、不妊治療に関わる複数の重要な変更がありました。現在治療中の方・これから始める方ともに知っておくべき内容です。

2024年
6月〜
① AMH検査の保険適用範囲が拡大|一般不妊治療でも保険で受けられるように
🔬 AMH検査の保険適用拡大(2024年6月〜)
2022年4月〜2024年5月 2024年6月〜(現在)
適用対象 体外受精・顕微授精(調節卵巣刺激療法)の治療方針決定のみ タイミング法・人工授精など一般不妊治療でも適用(卵巣機能の評価及び治療方針の決定)
検査費用(3割負担) 1,790円程度(保険適用時) 同様(3割負担)
自費での費用 5,000〜10,000円程度 —(保険適用になったため自費の必要なし)

✅ 治療の最初のステップでAMH検査が保険で受けられるようになったため、妊活を始めたばかりの方の経済的負担が軽減されました。

2024年
6月〜
② 凍結胚の保管期間「3年上限」が撤廃|無期限保管が可能に(保険適用で)
🧊 凍結胚の保管期間上限の撤廃(2024年6月〜)
2022年4月〜2024年5月 2024年6月〜(現在)
保管期間 保険適用での凍結胚保管は最大3年まで 保管期間の上限が撤廃。無期限で保険適用での保管が可能に
更新費用 3年を超えると自費扱いになっていた 凍結から1年経過ごとに10,500円(保険適用)で更新可能
注意点 保険適用の年齢条件(43歳未満)があるため、保険での更新手続きは42歳までに行う必要がある

✅ 採卵後すぐに移植できない事情がある方(治療休憩中・体調管理中など)も、胚を長期保管しやすくなりました。

2024年
6月〜
③ 離婚・復縁時の保険適用回数の取り扱い変更
💍 離婚・復縁時の回数ルール変更(2024年6月〜)
2022年4月〜2024年5月 2024年6月〜(現在)
離婚した場合 離婚後に再婚・新しいパートナーと治療を開始する場合、回数がリセットされる場合があった 離婚後に同じパートナーと復縁した場合は、離婚前の治療回数が引き継がれる(リセットされない)
異なるパートナーとの再婚 新しいパートナーとの治療は別カウントとして新たに開始
2024年
6月〜
④ 高度乏精子症の精子凍結が保険適用に・患者都合の凍結は選定療養へ
🔬 精子凍結に関するルール変更(2024年6月〜)
変更内容 詳細
高度乏精子症の精子凍結が保険適用に 調整前精子濃度が500万/mL以下の場合(高度乏精子症)、体外受精・顕微授精に使用する前提で精子凍結保存が保険適用(保険精子凍結費用:3,000円)に
患者都合の精子凍結は選定療養(自費)に 出張などの医学的理由以外の患者都合による精子凍結は選定療養扱いとなり自費(1アンプルあたり11,880円程度)になった
凍結胚・精子の施設間移送が保険算定可能に 転院時の凍結胚移送:移送先で10,500円、凍結精子移送:移送先で2,100円が保険算定可能に

🔗
関連記事

AMH検査とは?卵巣予備能の目安・基準値・費用を解説

2024年6月から一般不妊治療でも保険適用になったAMH検査の詳細はこちら

🔬 先進医療の変更点|2024〜2025年の追加・改定

先進医療は保険診療と組み合わせて使える全額自己負担の高度医療技術です。2024〜2025年にかけて新たな技術の追加と施設基準の変更がありました。

🔬 先進医療の主な追加・変更(2024〜2025年)
技術名 変更内容 時期
ZyMōt(マイクロ流体技術による精子選別) 新規先進医療として認定。遠心分離を使わず精子の自発的な運動性を利用して選別する 2025年4月認定
β2GPIネオセルフ抗体検査 自己免疫による不妊・着床障害を評価する血液検査として先進医療に認定 2025年6月認定
PICSI(ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術) 適応症の変更に伴う施設基準の変更(2024年12月修正告示) 2024年10月・12月改正
PGT-A(着床前染色体異数性検査) 東京都の先進医療助成の対象に追加。保険診療との組み合わせ拡充 2024〜2025年

📌 先進医療は保険診療と併用できる特別な制度
先進医療は「将来的に保険適用を目指して有効性・安全性を評価中」の技術です。保険診療と組み合わせて行う場合に限り、混合診療禁止の例外として認められています。費用は全額自己負担(高額療養費の対象外)ですが、医療費控除の対象となります。また民間医療保険の先進医療特約でカバーできる場合があります。

🔗
関連記事

不妊治療の先進医療・保険適用外費用ガイド|ERA・タイムラプス・助成制度を解説

先進医療の種類・費用・自治体助成・民間保険の先進医療特約について詳しく解説

📋 現在の保険適用の基本条件(変更なし)

2022年4月から設定された生殖補助医療(体外受精・顕微授精)の年齢・回数制限は、2024年の改定でも変更されていません。

📋 生殖補助医療の保険適用条件(2026年現在)
条件 内容
年齢条件 治療開始時に女性が43歳未満であること
回数制限(40歳未満) 胚移植の通算6回まで保険適用
回数制限(40〜43歳未満) 胚移植の通算3回まで保険適用
対象治療 採卵術・採精・体外受精・顕微授精・胚培養・胚凍結保存・胚移植術
一般不妊治療 タイミング法・人工授精は年齢・回数制限なし
対象者 法律上の婚姻関係にある夫婦(2022年4月〜)。事実婚は施設によって対応が異なる
⚠️ 保険適用と自由診療の混合はできない

保険診療と先進医療以外の自由診療を同一周期に組み合わせる「混合診療」は原則禁止です。自由診療の治療を選択した場合、本来保険適用だった治療まで全額自己負担になります。ただし先進医療に限っては保険診療との併用が認められています。クリニックから自費診療を勧められた場合は、保険適用との関係を事前に確認しましょう。

🔗
関連記事

高額療養費制度と不妊治療|自己負担額の上限・申請方法を解説

保険診療部分は高額療養費制度で自己負担上限が設定される。月の費用が高い場合は必ず確認を

❓ よくある質問(FAQ)

Q2024年6月以前に採卵した凍結胚は、保管期間の上限撤廃の対象になりますか?
Aはい、2022年4月以降に保険適用で採卵・凍結された胚は、2024年6月以降の改定により保管期間の上限なく保険適用で更新できるようになりました。ただし保険適用の年齢条件(43歳未満)があるため、保険での更新手続きは42歳までに行う必要があります。詳細は受診しているクリニックに確認してください。

QAMH検査が一般不妊治療でも保険適用になったのはいつからですか?
A2024年6月1日からです。それ以前は体外受精・顕微授精(調節卵巣刺激療法)の治療方針決定目的のみ保険適用でしたが、2024年6月の診療報酬改定により「卵巣機能の評価及び治療方針の決定」を目的とした場合、タイミング法・人工授精などの一般不妊治療でも保険適用(3割負担・約1,790円)となりました。

Q保険適用の回数(6回・3回)はいつリセットされますか?
A子どもが生まれた場合(出産後)、新たな妊娠に向けた治療を開始する際に回数がリセットされます。ただし2024年6月以降、離婚後に同じパートナーと復縁した場合は離婚前の回数が引き継がれます(リセットされません)。転院しても回数は引き継がれます。詳細はクリニックに確認してください。

Q先進医療の費用は医療費控除の対象になりますか?
Aはい、先進医療の費用も医療費控除の対象です。高額療養費制度の対象外ですが、確定申告で医療費控除を申請することで一部の税還付を受けられます。年間の医療費(世帯合算)が10万円を超える場合に申請できます。領収書は必ず保管しておきましょう。

Q次の診療報酬改定はいつですか?不妊治療の制度は変わりますか?
A診療報酬改定は2年ごとに行われており、次回は2026年4月が予定されています。不妊治療の保険適用の年齢・回数条件の見直しについては当事者団体などが要望を出し続けており、何らかの変更が入る可能性があります。具体的な内容は2026年初頭に決定される見込みです。最新情報はクリニックや厚生労働省のサイトでご確認ください。

📋 まとめ|2024年の不妊治療保険適用変更点
  • 2024年6月の令和6年度診療報酬改定で不妊治療の保険制度に複数の重要な変更が加わった
  • AMH検査の保険適用がタイミング法・人工授精などの一般不妊治療にも拡大(2024年6月〜)
  • 保険適用での凍結胚保管期間「3年上限」が撤廃。1年ごと10,500円で無期限保管が可能に(42歳まで更新可)
  • 離婚後に同じパートナーと復縁した場合、保険適用の治療回数はリセットされず引き継がれる
  • 高度乏精子症(精子濃度500万/mL以下)の精子凍結が保険適用に。患者都合の凍結は選定療養(自費)に
  • 先進医療ではZyMōt・β2GPIネオセルフ抗体検査などが新規認定(2024〜2025年)
  • 年齢・回数条件(43歳未満・40歳未満6回/40〜43歳未満3回)は変更なし
  • 次回改定は2026年4月予定。最新情報はクリニックまたは厚生労働省のサイトで確認を
※本記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。診療報酬・保険適用の内容は改定により変更される場合があります。最新の制度内容は必ず受診するクリニックまたは厚生労働省の公式サイトでご確認ください。出典:厚生労働省保険局医療課「令和6年度診療報酬改定の概要」・日本生殖医学会

コメント

タイトルとURLをコピーしました