【2026年最新】着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)とは? 費用・効果・対象者・注意点を徹底解説

保険・制度
🆕 2025年9月:適応が35歳以上に拡大されました
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PGT-Aは「移植前に胚の染色体を調べる検査」です。全額自費で保険は使えません

着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)は、体外受精で得た胚盤胞の染色体数を移植前に調べることで、流産リスクの低下・妊娠率の向上を目指す検査です。保険適用外・全額自費で、検査を受ける場合は採卵から移植まですべて自費診療となります。2025年9月から35歳以上の方も対象に加わりました。

①PGT-Aとは?どんな検査?

結論:PGT-Aは体外受精・顕微授精で得られた胚盤胞の染色体数に過不足がないかを移植前に調べる検査です。染色体異常がない胚を選んで移植することで、流産率を下げ妊娠率を向上させることが期待されます。

人の染色体は46本(23対)が正常です。1本多い(トリソミー)・1本少ない(モノソミー)などの「染色体異数性」がある胚は、着床しないか着床しても流産する可能性が高くなります。初期流産の70〜80%は胚の染色体異常が原因とされています。

PGT-Aでは胚盤胞の一部の細胞(栄養外胚葉)を採取・検査し、染色体が正常な胚(「移植可能胚」)を選んで移植します。

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初期流産の原因の多くが
染色体異常
70〜80%を占めるとされる
📊
30歳での胚の染色体異常率
約30%
年齢とともに上昇
💰
検査費用の目安(胚1個)
約7〜11万円
全額自費(保険適用外)

💡 2025年9月:適応が拡大されました(最新情報)
日本産科婦人科学会により、2025年9月からPGT-Aの対象が「女性が35歳以上の不妊症夫婦」にも拡大されました。これまでは「反復ART不成功(2回以上)」「習慣流産(2回以上)」のみが対象でしたが、35歳以上の方は条件を満たさなくても検査が受けられるようになりました。


②PGT-Aの対象者(2025年9月改訂版)

結論:2025年9月から適応が拡大され、以下の3つのいずれかに該当する夫婦が対象になりました。

対象 条件の詳細
① 反復ART不成功 体外受精・胚移植を行い、2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方
② 習慣流産(反復流産) 過去に臨床的流産を2回以上経験している不育症の方(化学妊娠は含まれない)
③ 女性が35歳以上 ★2025年9月追加 女性が35歳以上の不妊症夫婦(夫婦いずれかに染色体構造異常が確認されている場合を除く)
⚠️ 対象外となる場合があります

夫婦いずれかに染色体の構造異常(均衡型染色体転座など)が確認されている場合はPGT-Aの対象外となり、PGT-SR(構造異常検査)の適応になります。また、PGT-Aは日本産科婦人科学会の承認実施施設でのみ受けることができます。


③費用(全額自費)

結論:PGT-Aは保険適用外で全額自費です。検査費用は胚1個あたり約7〜11万円が目安です。採卵から移植まですべて自費になるため、総費用は50〜100万円以上になるケースもあります。

費用項目 目安 備考
PGT-A検査費(胚1個) 約66,000〜110,000円 クリニックにより異なる
資材費(初回) 約22,000円 1周期ごと
採卵〜胚盤胞培養(自費) 約30〜50万円 保険適用できない
凍結胚移植(自費) 約10〜20万円 保険適用できない
胚盤胞5個を検査する場合の例 資材費22,000円+66,000円×5=352,000円 採卵〜移植費用は別途
⚠️ PGT-Aを選択すると採卵から移植まで全額自費になります

PGT-Aは保険適用外のため、PGT-Aを選択した周期の採卵・培養・移植も含めてすべて自費診療となります。保険診療で進めてきた方がPGT-Aを受ける場合は、その周期から全額自費に切り替わることを事前に確認しておきましょう。


④PGT-Aのメリットと注意点(デメリット)

メリット

📈
胚移植あたりの妊娠率が向上する

染色体異数性のない胚を選んで移植するため、着床しない・流産する可能性が低い胚を避けられます。1回の移植で妊娠継続できる確率が上がります。

📉
流産率が低下する

染色体異常による流産を避けられるため、妊娠判定後に流産するリスクが低下します。反復流産を経験してきた方の精神的負担の軽減にもつながります。

⏱️
治療全体の時間的ロスを減らせる

染色体異常胚への移植・陰性判定・流産という繰り返しを避けることで、出産までの時間を短縮できる可能性があります。若いうちに採卵・検査することで良質な胚を確保しやすくなります。

🔍
正常胚を移植しても妊娠しない場合に他の原因を調べるきっかけになる

染色体正常胚を移植しても着床しない場合は、着床不全・不育症・免疫的な問題などが原因であることが明確になるため、次の検査・治療方針を絞りやすくなります。

注意点(デメリット)

⚠️
全額自費で費用が高額になる

採卵から移植まですべて自費になるため、保険診療より大幅に費用が増加します。経済的な負担について事前に十分に確認することが重要です。

⚠️
生検(細胞採取)により胚にダメージを与える可能性がある

胚盤胞から細胞を採取する操作により、ごくまれに胚が損傷するリスクがあります。ただし現在の技術では影響は最小限とされています。

⚠️
移植できる胚が得られない場合がある

検査の結果、すべての胚が染色体異常と判定された場合、その周期は移植できません。特に高齢の方や採卵数が少ない場合に起こりやすいです。

⚠️
正常胚を移植しても妊娠率は100%ではない

染色体正常胚を移植しても妊娠率は約60〜70%とされており、流産率も約10%あります。PGT-Aで「必ず妊娠できる」わけではありません。

⚠️
診断の精度に限界がある

少数の細胞から全体を推定するため、モザイク胚(染色体異常・正常が混在)の判断が難しい場合や、稀に出生児と結果が不一致となること(1〜3%程度)があります。


⑤よくある質問(FAQ)

QPGT-Aは誰でも受けられますか?
A日本産科婦人科学会の承認を受けた実施施設で、定められた対象者(反復ART不成功・習慣流産・35歳以上の不妊症)に該当する方が受けられます。また、日本産婦人科学会の説明動画を視聴し、遺伝カウンセリングを受けた上で同意書を提出することが必要です。実施できるクリニックは限られているため、事前に確認が必要です。

QPGT-Aを受ければ必ず妊娠・出産できますか?
A染色体正常胚を移植した場合の妊娠率は約60〜70%、流産率は約10%程度です。PGT-Aで染色体が正常と判定された胚でも、着床不全・免疫的な問題・子宮環境など他の原因で妊娠しない場合があります。また、検査の精度には限界があります。「必ず妊娠できる検査」ではないことを理解した上で選択することが大切です。

QPGT-Aで性別はわかりますか?
A技術的には性別を判定することは可能ですが、日本産科婦人科学会の方針により、性別はお伝えしないとされています。性染色体に数的異常(XO・XXXなど)がある場合は染色体異常として結果に反映されますが、性別そのものの告知は行われません。

QPGT-Aで「異常」と判定された胚はすべて廃棄しないといけませんか?
A染色体異数性と判定された胚でも、患者さんの希望により凍結保存や移植を行うことは可能です。「モザイク胚」と判定された場合も、クリニックと相談して移植するかどうかを決めることができます。廃棄の判断は患者さんご自身がするものです。

Q今後、PGT-Aが保険適用になる可能性はありますか?
A2026年4月時点では保険適用の予定はありません。PGT-Aは「病気の治療ではなく胚の選別」と位置づけられているため、現在の保険制度上は適用が難しい状況です。倫理的な課題もあり、今後の動向を注視していく必要があります。


まとめ|PGT-Aは「正しく理解して選択する」ことが大切

📌 この記事のポイントまとめ
  • PGT-Aは胚移植前に胚の染色体数を調べ、異常のない胚を選ぶ検査
  • 2025年9月から35歳以上の不妊症夫婦も対象に追加(日本産科婦人科学会)
  • 費用:胚1個あたり約7〜11万円(全額自費)。採卵から移植まですべて自費になる
  • メリット:胚移植あたりの妊娠率向上・流産率低下・時間的ロスの軽減
  • 注意点:全額自費・生検リスク・移植可能胚が得られない場合がある・妊娠率100%ではない
  • 正常胚を移植しても妊娠率は約60〜70%。「必ず妊娠できる検査」ではない
  • 日本産科婦人科学会承認の実施施設でのみ受けられる。遺伝カウンセリングが必要

PGT-Aは反復着床不全・習慣流産・高齢妊活の方にとって有力な選択肢の一つです。しかし高額な費用・すべて自費・検査の限界を正しく理解した上で、担当医師・遺伝カウンセラーとよく相談して選択することが大切です。

本記事は2026年4月時点の日本産科婦人科学会の公開情報をもとに作成しています。PGT-Aの実施条件・費用・対象者はクリニックや時期によって変わる場合があります。詳細は必ず担当医師・遺伝カウンセラーにご相談ください。

本記事は情報提供を目的としており、医療行為を推奨するものではありません。

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