【2026年最新】二段階胚移植とは? 効果・費用・SEET法との違いを徹底解説

保険・制度
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二段階胚移植は「良質な胚を移植しても着床しない」方への選択肢です

通常の胚移植を繰り返しても妊娠に至らない「反復着床不全」の方に対して、着床率を高める目的で行われる移植法です。先進医療として保険診療との併用が可能で、東京都などでは助成金の対象にもなっています。

①二段階胚移植とは?どんな方法?

結論:二段階胚移植は、同一の移植周期内に「初期胚(3日目)」と「胚盤胞(5日目)」の2つの胚を時間差で移植する方法です。初期胚が子宮内膜にシグナルを送ることで、着床環境を整えてから胚盤胞を移植します。

自然妊娠では受精卵が卵管の中で子宮に向かって移動しながら子宮内膜にシグナルを送り、子宮が着床の準備を整えます。体外受精では卵管の過程がないため、このシグナルが届きません。二段階胚移植はこのシグナルを人工的に再現しようとした移植法です。

タイミング 実施内容 目的
1段階目(受精後2〜3日目) 初期胚(8細胞期胚)を1個移植 子宮内膜へシグナルを送り着床環境を整える
2段階目(受精後5〜6日目) 胚盤胞を1個移植 着床しやすくなった子宮に胚盤胞を移植
⚠️ 2つの胚を移植するため多胎妊娠のリスクがあります

二段階胚移植では初期胚と胚盤胞の両方が着床する可能性があり、双胎(ふたご)になるリスクがあります。そのため多くのクリニックでは「良好胚を反復して移植しても妊娠に至らなかった方」や「35歳以上・過去2回以上の反復不成功例」などの条件を満たす方を対象としています。


②二段階胚移植 vs SEET法:違いと選び方

結論:二段階胚移植は胚2個を移植するため多胎リスクがありますが妊娠率が高い。SEET法は培養液のみを注入するため多胎リスクなしで着床促進効果を期待できます。

二段階胚移植

初期胚+胚盤胞
の2個移植
  • 胚2個を移植するため妊娠率が高い
  • 多胎妊娠のリスクがある
  • 初期胚・胚盤胞の両方が必要
  • 先進医療として保険診療と併用可能
  • 反復着床不全・35歳以上が主な対象
SEET法(子宮内膜刺激術)

培養液注入+
胚盤胞1個移植
  • 移植する胚は1個のみ
  • 多胎リスクなし
  • 胚盤胞の培養液(SEET液)を凍結保存する必要あり
  • 先進医療として保険診療と併用可能
  • 二段階胚移植より安全性が高い

💡 最近ではSEET法が主流になりつつあります
多胎妊娠のリスクを回避しつつ二段階胚移植と同様の着床の促進を期待できるSEET法が、近年は多くのクリニックで選択されています。ただしSEET法は胚盤胞凍結時に培養液も同時に凍結する必要があるため、事前に計画が必要です。


③二段階胚移植の流れ

結論:同一周期内に2回の移植を行います。凍結した初期胚と胚盤胞の2つが必要です。

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📋 事前準備:初期胚と胚盤胞の凍結

採卵で得た受精卵を培養し、初期胚(2〜3日目)と胚盤胞(5〜6日目)をそれぞれ凍結保存しておきます。2つの胚が必要なため、採卵で複数の受精卵が得られていることが条件になります。

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💊 子宮内膜を整える(移植周期の準備)

通常の凍結胚移植と同様に、ホルモン補充または自然周期で子宮内膜を整えます。超音波検査で内膜の厚さを確認し、移植日を決定します。

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🌱 1段階目:初期胚を移植(受精後2〜3日目相当)

融解した初期胚(8細胞期胚)1個を子宮内に移植します。初期胚が子宮内膜へシグナルを送り、着床環境を整え始めます。処置は通常の移植と同様で数分で終わります。

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🌸 2段階目:胚盤胞を移植(2〜3日後)

1段階目から2〜3日後(受精後5〜6日目相当)に、融解した胚盤胞を1個移植します。初期胚のシグナルで着床しやすくなった子宮内膜に胚盤胞が着床することを期待します。

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📋 妊娠判定(2段階目の移植から約10〜14日後)

2段階目の移植から約10〜14日後に血液検査・hCG検査で妊娠判定を行います。


④費用と保険適用・助成金

結論:二段階胚移植は先進医療として保険診療と併用が可能です。費用はクリニックによって異なりますが、東京都など一部自治体では助成金の対象になります。

項目 費用の目安(自費部分) 備考
1段階目の初期胚移植 約70,000〜100,000円 クリニックによって異なる
2段階目の胚盤胞移植(先進医療部分) 約40,000〜88,000円 保険診療の胚移植費用と別に発生
胚の融解費用 各胚ごとに発生 クリニックにより異なる
合計目安 約110,000〜200,000円(自費部分) 保険部分は別途

東京都など一部自治体では先進医療助成金の対象です
東京都の「特定不妊治療費(先進医療)助成事業」では二段階胚移植法が助成対象となっています。ご自身の自治体の制度を事前に確認しておきましょう。助成を受けるには厚生労働省の登録医療機関での治療が必要です。

⚠️ 保険の移植回数への影響に注意

二段階胚移植では1段階目と2段階目の両方が「胚移植」としてカウントされる可能性があります。保険適用の胚移植回数(40歳未満6回・40〜43歳未満3回)の消費に影響する場合があるため、担当医師と事前に確認しておきましょう。


⑤よくある質問(FAQ)

Q二段階胚移植はどんな方が対象ですか?
A主な対象は、良質な胚を移植しても着床・妊娠に至らない「反復着床不全」の方です。日本産科婦人科学会では35歳以上または2回以上の連続反復不成功例に検討される方法としています。初回の移植から行うクリニックもありますが、対象条件はクリニックによって異なります。担当医師に相談してみましょう。

Q二段階胚移植とSEET法はどちらがおすすめですか?
A多胎妊娠のリスクを避けたい場合はSEET法が推奨されています。SEET法は移植する胚が1個のみのため多胎リスクがなく、着床促進効果も期待できます。ただしSEET法は胚盤胞培養時に培養液を同時に凍結する必要があり、事前準備が必要です。どちらが適切かは個人の状況によるため、担当医師と相談して決めましょう。

Q二段階胚移植は保険適用になりますか?
A二段階胚移植は「先進医療」に位置づけられており、保険診療との併用が可能です。保険で実施する胚移植の費用(保険部分)に加えて、先進医療として二段階胚移植の費用(自費部分)が発生します。東京都など一部自治体では先進医療助成金の対象になっています。

Q二段階胚移植で双子(多胎)になった場合、どうなりますか?
A双胎妊娠になった場合は管理が必要で、早産・低体重・帝王切開になるリスクが高まります。多胎妊娠は母体・赤ちゃん両方にリスクがあるため、担当医師と十分に相談してリスクを理解した上で選択することが重要です。

Q二段階胚移植を実施しているクリニックの探し方は?
A厚生労働省のウェブサイトで「先進医療を実施している医療機関」として二段階胚移植法を届け出ているクリニックを確認できます。また現在通院中のクリニックに「二段階胚移植は実施していますか?」と直接確認するのが最も確実です。


まとめ|反復着床不全の次の選択肢として検討を

📌 この記事のポイントまとめ
  • 二段階胚移植は初期胚(3日目)と胚盤胞(5日目)を同一周期に時間差で移植する方法
  • 初期胚が子宮内膜にシグナルを送り、着床環境を整えてから胚盤胞を移植する
  • 主な対象:反復着床不全・35歳以上・過去2回以上の反復不成功例
  • 胚2個を移植するため多胎妊娠リスクがある。多胎を避けたい場合はSEET法が推奨
  • 先進医療として保険診療との併用が可能。費用は自費部分が別途発生
  • 東京都など一部自治体では先進医療助成金の対象になる
  • 保険の胚移植回数に影響する可能性があるため、担当医師に事前確認を

「良質な胚を何度移植しても妊娠しない」とつらい思いをしている方にとって、二段階胚移植・SEET法は着床率を高める選択肢の一つです。担当医師に自分の状況を相談して、最適な移植方法を選んでいきましょう。

本記事は2026年4月時点の情報と各クリニックの公開情報をもとに作成しています。費用・対象条件はクリニックによって異なります。詳細は必ず担当医師にご相談ください。

本記事は情報提供を目的としており、医療行為を推奨するものではありません。

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