採卵後に胚を凍結し、別の周期に融解して移植する「凍結融解胚移植」は現在の不妊治療の主流です。保険適用で1回約36,000〜50,000円と採卵周期より安く、妊娠率も高い傾向があります。
①凍結胚移植の費用:まず結論をお伝えします
結論:保険適用の場合、凍結胚移植1回あたりの総費用は約36,000〜50,000円が目安です。ホルモン補充周期か自然周期かによって費用が異なります。
💡 凍結胚移植が現在の主流の理由
採卵直後は卵巣が腫れたり子宮内膜の状態が整いにくいことがあります。いったん胚を凍結して子宮の状態が整った周期に移植する「凍結融解胚移植」は、新鮮胚移植より妊娠率が高いとされており、現在の体外受精の主流になっています。
②ホルモン補充周期 vs 自然周期:どっちがいいの?
結論:どちらも一長一短あり、担当医師が患者さんの状態に応じて選択します。費用面では自然周期がやや安い傾向があります。
- 自分の排卵に合わせて移植
- 薬の使用が少なく体への負担が軽い
- 排卵日の予測が難しい場合は不向き
- 月経周期が不規則な方には向かない
- 通院回数がやや多くなる場合がある
- 薬で子宮内膜を整えて移植日を計画的に設定
- スケジュール管理がしやすい
- 月経不順・排卵障害の方に向いている
- 薬代がやや多くかかる
- 最も広く使われている方法
費用の内訳比較
| 費用項目 | 自然周期 | ホルモン補充周期 |
|---|---|---|
| 胚移植処置代 | 36,000円 | 36,000円 |
| 超音波検査 | 数回分:3,000〜6,000円 | 数回分:3,000〜6,000円 |
| ホルモン検査 | 1,000〜3,000円 | 1,000〜3,000円 |
| 薬代(内服・注射) | 少〜中:数百〜3,000円程度 | 中〜多:5,000〜10,000円程度 |
| 合計目安 | 約40,000〜45,000円 | 約45,000〜50,000円 |
③凍結胚移植の流れ(ステップ解説)
結論:凍結胚移植は月経開始から移植まで約2〜3週間かかります。通院は3〜5回程度が目安です。
月経が始まったらクリニックに連絡・受診します。超音波検査やホルモン検査で卵巣・子宮の状態を確認し、ホルモン補充周期か自然周期かを決定します。
ホルモン補充周期では内服薬・貼付薬・膣剤などでエストロゲンを補充し子宮内膜を厚くします。自然周期では自然の卵胞発育を超音波で観察します。
- 通院目安:1〜2回(内膜の厚さを確認)
- 内膜の厚さが8mm以上になることが目安
排卵後(または黄体ホルモン投与開始後)に移植日を決定します。ERA検査を受けた方はその結果に基づいた個別のタイミングで移植を実施します。
凍結された胚を融解し、細いカテーテルで子宮内に移植します。処置時間は5〜10分程度で、痛みは軽度か無痛がほとんどです。移植後はすぐに帰宅できます。
- 融解後の生存率:約95%以上(良好胚の場合)
- 移植できる個数:原則1個(医師の判断で2個の場合も)
移植から約10〜14日後に血液検査またはhCG検査で妊娠判定を行います。陽性の場合は妊娠確認のため超音波検査へ進みます。陰性の場合は次の周期で再移植を検討します。
④凍結胚移植の妊娠率はどのくらい?
結論:凍結胚移植の妊娠率は年齢・胚の質によって大きく異なりますが、胚盤胞移植の場合は30代前半で40〜50%程度とされています。
| 年齢 | 凍結胚盤胞移植の妊娠率目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 約45〜55% | 良質な胚が多く妊娠率が高い |
| 30〜34歳 | 約40〜50% | 比較的高い妊娠率 |
| 35〜39歳 | 約30〜40% | 年齢とともに低下傾向 |
| 40〜42歳 | 約20〜30% | 胚の染色体異常率が高くなる |
| 43歳以上 | 約10〜20% | 保険適用外(自費診療) |
✅ 凍結胚移植は新鮮胚移植より妊娠率が高い傾向があります
採卵直後は卵巣が腫れて子宮環境が整いにくいことがあります。凍結胚移植では子宮内膜が十分に整った状態で移植できるため、一般的に新鮮胚移植より妊娠率が高いとされています。
⑤凍結胚移植の費用を抑える制度
| 制度 | 内容 | 凍結胚移植への適用 |
|---|---|---|
| 公的医療保険(3割負担) | 移植処置代が3割負担に | ✅ 適用可(43歳未満・回数制限内) |
| 高額療養費制度 | 月の医療費が上限超えた分を還付 | ✅ 採卵費用と合算できる |
| 医療費控除 | 年間10万円超で税金が戻る | ✅ 移植費用も対象 |
| 民間保険の手術給付金 | 胚移植術(K884-3)が給付対象 | ✅ 加入保険の約款による |
⑥知っておくべき注意点4選
保険診療では原則として凍結胚が残っている間は次の採卵周期に保険が適用されません。凍結胚を全て移植し終えてから次の採卵に進む必要があります。担当医師と治療計画をよく確認しましょう。
凍結保存した胚には年1回の維持管理料がかかります。保険適用の場合は個数に関わらず年間約10,500円(3割負担)です。長期保存する場合は計画的に費用を見込んでおきましょう。
凍結胚を融解した際に、まれに胚が変性して移植できないケースがあります。また子宮内膜が十分に厚くならず移植を見送ることもあります。その場合はその周期の移植は行わず、次の周期に改めて計画します。
凍結胚移植も保険適用の「移植回数」としてカウントされます(40歳未満6回・40〜43歳未満3回)。複数回移植する場合は残り回数を常に把握しておくことが重要です。
⑦よくある質問(FAQ)
まとめ|凍結胚移植は費用を抑えながら妊娠率を高める選択肢
- ✓保険適用で凍結胚移植1回あたりの費用目安は約36,000〜50,000円
- ✓ホルモン補充周期(約4.5〜5万円)と自然周期(約4〜4.5万円)で費用が異なる
- ✓採卵周期より費用が安く、妊娠率も高い傾向があるため現在の主流
- ✓月経開始から移植まで約2〜3週間・通院3〜5回が目安
- ✓凍結胚がある間は次の採卵に保険が使えない点に注意
- ✓胚移植術(K884-3)は民間保険の手術給付金の対象になる可能性がある
- ✓高額療養費・医療費控除・民間保険を組み合わせて実質負担を最小化しよう
凍結胚移植は採卵周期と比べて費用が安く、妊娠率も高い傾向があります。使える制度を全て把握して、経済的な負担を抑えながら治療を進めていきましょう。



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